調査記録12
突撃訪問!河童一族が住まう村!?
さつま夢街道ガラッパ村

2010年01月30日

member:NEO隊長、zets準隊員

場所:鹿児島県鹿児島郡吉田町

とある筋から「河童の村が存在する」という情報を入手した隊長。
その情報によるとなにやらそこには河童一族が住んでいるらしい。
それを聞いて黙っている隊長ではない。すぐさまzets準隊員に「車を出すのだ!」と招集をかけ、我々は河童の村を目指して出発した。
長年に亘り河童を追い続けてきた我々。「今日、終止符が打たれるのかもしれない・・・」そんな思いが心を過ぎっていた。

風邪をこじらせイライラ気味のzets準隊員。
「村なんてあるのか・・・ていうかなんで俺は隊員なんだ・・・」
愚痴と咳が行き交う車内。隊長まさかの寝たふり。

お互い殺気を感じつつ、車を走らせていると目印にしていた渓谷苑が見えた。
この近くにあるはずだ。するとそれは姿を現した!
ここに村があるのか!さあ潜入だ!


まず我々の目に飛び込んできたのは木製の河童像と看板だ。
なるほど、ウェルカムということか。


バンザイをしている雄河童と子供を抱いている雌河童というとこか。足元に散らばるのはどんぐりの残骸。


哀愁が漂っている。それにしても雌河童のほうがN〇Kで昔やっていた海外ドラマのアルフにしか見えない。


バックショット。立派な甲羅を背負っている。


それにしても肝心の村が見当たらない。我々は看板に注目した。


なにやら書いてある。

ガラッパの由来
この本名川の渓谷沿いに今も赤ガラッパ一族が棲みつき人間たちに心の安らぎを与えている。
ガラッパ一族の特長を少し述べよう。村長を頭に三家族九匹が棲みつき内子供ガラッパ三匹構成されて居る。
村長名 渓谷スッ太郎
年令  七百七拾七才推定
身長  六拾五センチメ−トル
他に子供三匹がいたが渓流の汚染により病死したとのこと残念だ。
又不法投棄の缶等で頭を打ち事故死の子供ガッパもいた。
特長としてガラッパの体の頭部に皿が有りてその中心に針金みたいな毛が有りアンテナでセンサ−の働きをし自分の身を守るため保護色になり犠体に身をかくす頭のよいガラッパである。
食べものはきゅうりかぼちゃ。
子供と相撲を取るのが大好き。
得意技は足取りカッパ掛け。
又家族で川を下る時は心にひびくやさしい鳴き声でピ−ヒョロピ−ヒョロと家族の群を確認しながら下る。
何んと夢のあることだろう。
又下流に青ガラッパの一族が棲んでいるとのこと今調査中。
さつま夢街道 美化推進事務局


なんともつっこみどころの多い内容だ。スッ太郎、アンテナ、カッパ掛け・・・・
なるほど・・・・美化推進事務局か・・・
美化・・・・美化・・・・・・

何かが引っかかるがとにかく辺りを探索してみることにした。


藪をかきわけて進んでいくと下に川が流れていた。


下に降りることは不可能に近い。なんてことだ・・・


これ以上の探索は無謀だ。無念・・・


再度看板を見直す隊長。美化。やはりそういうことか。
これは環境破壊へのメッセージなのだ。
ここはそのために作られたということか。

しかし冷静ではいられない男が一人いた。

「村なんてねえじゃねえか!!」

zets準隊員の叫びがこだました。

「出て来いスッ太郎!!ゲホッ」

「なんで俺は準隊員なんだ!!」

咳混じりの叫びが渓谷に響き渡る。
村がない。その一点でzets準隊員の精神状態は崩れ去った。

「ふふ、まだまだ青いな・・・」
隊長はそんなzets準隊員を温かい目で見守っていた。

必ずしも思った通りの収穫が得られるわけではない。
肩透かしを食らうことなどよくあることなのだ。
その悔しさを幾度と経験し、それでも諦めない精神を持つ者だけが一人前の隊員となれる。

「さあ、美味しいものでも食べに行こう」

こうして我々は河童村をあとにした。


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