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出た!戸田観音のガラッパ!
〜番外編〜
2006年12月30日
member:NEO隊長、パーマ隊員
06年の12月30日に行なった戸田観音のガラッパ調査(詳しくはこちら)、片道3時間以上掛かったその冒険には数々の伝説が生まれた・・・
ここでは本編では伝えきれなかった裏話を番外編として紹介しようと思う。
まずは出発直前に遡ることにしよう。
早朝6時30分、俺は薩摩川内駅へと向かっていた。パーマ隊員は電車で薩摩川内駅に降り立ち、俺と合流する予定であった。
俺は腹の調子が悪く、駅に着いた途端にトイレへと直行。便座に腰を降ろすと携帯電話の着信音がけたたましく鳴った。パーマ隊員からのメールだ。
隊長!!おはようございます(・∀・)
いきなりですがすいません
電車に乗り遅れてしまいました…
次の電車は27分頃に着くと思います
ホントにごめんなさい(´・ω・`)
本来ならガックリするところだが俺はその時トイレの中だ。しかも戦いはまだまだ終わりそうになかった。俺は“考える人”のような姿勢で返信した。
わかった。俺は只今駅のトイレでう○こ中だ。
俺はこのまま任務を続行する
パーマ隊員の返信。
了解(`o´)ゞ(アイドルの画像複数添付)
なんとも馬鹿なやりとりである。
そんなこんなで俺たちは合流した。ここからが本番だ。
そもそもなぜ片道3時間以上も掛かったのか?駅から目的地までは10数kmしかない。
もう答えは一つしかない。そう、我々は徒歩だったのだ!
駅の売店で食料を買い、我々は出発した。
川内川沿いを進んでいったのだがかなりの寒さに口数も少なくなる・・・わけはない。我々はオカルトトークで大いに盛り上がった。
そして最初に着いたのがポルターガイストの家だ。
ここでは写真を数枚撮っただけだった。正直長居はしたくなかった。寒いし。
ポルターガイストの家を後にし、ひたすら歩いていると山の奥へと進む怪しい小道を我々は発見。
覗き込むパーマ隊員。
探検野郎の血が騒ぎ、我々は突入することにした。
無造作に積まれた岩の山。明らかに人工的なものである。「もしや河童の仕業か?」そんな考えが我々の脳裏を過ぎっていた。
小道の入り口から70mほどさしかかったところでなんと滝を発見!我々は狂喜乱舞し近くに寄ってみることにした。
が、滝にそばまで行くには急な崖を降りなければならない。我々は決死の覚悟で臨むことにした。
まず俺が降りてみる。岩には藻が生えており、かなり滑る。だがなんとか降りきった。
続くパーマ隊員に「滑るから気をつけて」と俺は警告した。が、次の瞬間パーマ隊員は足を滑らせた!
「!!!」
間一髪!パーマ隊員はなんとか木の枝にしがみつき事なきを得た。
ホッと胸を撫で下ろす俺。パーマ隊員は興奮冷めやらぬままこう言った。
「初任務で危うく殉職するところだった」
運が悪ければそうなっていたかもしれない。探検は危険が付き物である。
そんな危険をかいくぐった我々を待っていたのは美しい滝であった。
滝と言ってもこんなもんである。だが疲れていた我々を癒すには充分であった。
滝の前でパシャリ。パーマ隊員、シャイである。
写真も撮って満足した我々は滝とお別れすることにした。今度は崖を登らなければならない。
「ファイトォー!いっぱぁぁつ!」
お約束である。
難なく崖を登り我々はまだ上へと続く小道を進んだ。
しかし小道は急に草薮へと変わりその先は行き止まりになっていた。
これ以上先には進めないので我々は引き返すことにした。
それからまた長いこと歩き、ずっと続いてた森林を抜けやっと日が差す道で出た。(それまではずっと森林に太陽の日差しが遮られ陰になっていたのだ)
我々は休憩を取ることにした。右の写真に写っているのはイッシー君だ(こちらを参照)。
10分ほど休憩した後、我々は出発した。
俺はあらかじめ目的地までの道のりをメモしており、その中間地点より少し先に“赤い橋”がある。今までもメモにあるバイク屋などを通過しており我々の足取りは順調であった。
そして次は赤い橋だと意気込んで進んでいた我々の目の前に突如として“それ”は現れた。
「な!なんだこれは!」
我々の足は一瞬にして凍りつく。
「まさか・・・こんなものが・・・」
パーマ隊員はおもむろに“それ”を掴んだ!
「!!!」
しかも一つではない。我々の先に転々と存在しているのだ!
「これは罠かもしれない!」
時既に遅し、パーマ隊員は全てを手中に収めていた。
そしてパーマ隊員は興奮冷めやらぬままこう言った。
「これは・・プレシャスだ・・・」
そう、我々が発見したのは紛れもないプレシャスだったのである。
ボウケンジャーもこれにはビックリ。
パーマ隊員「どうする・・・?」
俺「ちょっとした冒険だな!プレシャスを回収するんだ!」
そして鞄の中へ慎重にプレシャスをしまうパーマ隊員。
俺「グッジョブ!」
いったいプレシャスとは何なのか?皆さんはそう思うであろう。だがここでは言えない。
もし言ってしまえばMIB、または“彼ら”にアブダクションされてしまう危険性がある。ここは皆さんのご想像におまかせしよう。決してエロ本ではない。
そんなこんなで我々は再度進みだした。
そして数10分歩いた後、赤い橋は我々の目の前にその勇姿を露にした。
ここまでくればもう一息だ。がしかし我々は重大なことを忘れていた。
そう、きゅうりである。
この調査にはかかせないものだ。前日に用意するのを忘れていた俺は(かたじけない)行く途中で買えばいいだろうと思っていたがここに来るまでコンビニの一つもなかった。
この橋より先に進んでしまえばもうチャンスはないだろう。
するとパーマ隊員が何かを発見した。指差す方向を見ると何やら看板がある。
←Aコープ
「!!!」
Aコープとはいわゆるスーパーのことである。何やら橋を渡った向こうの街にあるそうだ。
橋を渡るのは本来の方向とは違うのだが、どうしてもきゅうりを手に入れたい我々は行くことにした。
が、看板には詳しい場所も距離も書かれていない。まさに上のAAと同じだ。何とも不親切である。
橋を渡り街の中に入った我々の目の前に現れたのは十字路であった。とにかくもう勘で進むしかない。我々は真っ直ぐ進むことにした。
そして奇跡は起きた。なんと我々の進んだ先にAコープがあったのである!
「やった!きゅうりが手に入るぞ!」
我々は嬉々としてAコープに潜入した。そして山のように積まれたきゅうりを発見!さすが河童の街ということだけはある!
1本60円。3本セット198円。さてどうする?我々は作戦会議を行なった。その結果「多いほうがいい」ということで3本セットにすることにした。わりかんである。
きゅうりも手に入り、我々は街を後にした。こうなったらもう怖れるものなど何も無い。驀進である。
それから数10分また歩き我々は目的地に到着した。本編では鳥居→御堂と本来の道順で紹介しているが、実を言うと我々はまったく逆の方向から来てしまったのだ。
我々はまず最初に「戸田観音石塔群等」(写真下)というのを発見した。
我々はてっきりその名の通り石の塔がたくさんあるのかと思い入ってみることにした。
が、それらしき物はない。石碑らしきものが一つあるだけだ。だが道はまだ続いているので我々は進んだ。
すると小屋のような建物の裏に出た。「まさか!?」我々は建物の正面に周り、確認した。
しかし観音様の像があるだけである。「なんだ違うのか」と思ったがよく見てみると観音様の下にちょこんとガラッパの像があるではないか!
俺「ここかよっ!」
パーマ隊員「あれかよっ!」
予想と反して小さいガラッパの像に驚きを隠せない我々。
しかも裏からやってきてしまったという何とも言えないこの気持ち。
とりあえず我々は鳥居を探すことにした。
そして発見。
「入り口こっちかよ・・・」
我々は階段を降り、入り口に出た。
そしていかにも今から行きます的な雰囲気を漂わせ今度は階段を登る我々。
「まさかここが御堂か!?」
「いや、そんなはずはない!」
(そして御堂を目の前にして)「で、出たああああ!」
何とも悲しいやりとりである。だが本来はこうありたかったのだ(涙)
そして我々は思い思いに写真を撮り、休憩がてら昼食を取った。
イッシー君もご機嫌である。
ばけたんも持って行ったのだが、ポルターガイストの家から戸田観音までずっと赤く光りっぱなしであった。ばけたん発狂である。家に着いた頃には永遠の眠りについていた。
きゅうりもお供えし御堂を後にした後、我々は樋脇川に降り立ち河童を探したりストーンサークルを作ったりした。
木の枝に引っかかった青いビニールシートを河童と本気で間違えるなどそれはそれは大変であった。
川はとても澄んでいて、水は冷たかった。
それにしてもパーマ隊員の体力には驚かされる。ずっと歩いてきたというのに顔色一つ変えないのだ。一方この時俺は杖をつかないと歩けないほど弱っていた。
このストーンサークル、即席にしてはいい出来だったと思っている。この夜河童達はストーンサークルを囲み、踊り明かしたに違いない。
こうして我々は戸田での調査及び任務を終え、薩摩川内の街に戻ったのだがここでも一つの伝説が生まれた。
そう、言わずと知れた「ガラッパとの記念写真」である。
皆さんもご存知の通りこの写真なのだが、実はこれを撮るまでにかなりの時間を要してしまった。
なぜかと言うと単純に恥ずかしかったからである。
上の写真はなんと駅のまん前なのだ。
当たり前だが人通りも多く、ここで撮るのは不可能だと思った。
だから他の色んな場所に行き、ガラッパの像を探したのだが像のあるところは人も多く、断念せざるをえなかった。
人なんか気にするなと思うだろうが俺もパーマ隊員も泣く子も黙る恥ずかしがり屋である。
そして1枚も撮れないまま我々は再び駅前へと戻ってきた。
が、どうしても我々は諦め切れなかった。この調査の〆はガラッパとの記念写真にしたかったのだ。
路上ではミュージシャンが歌をうたっている。我々はそれを見てるふりをしながらチャンスをうかがっていた。
そしてねばること数10分(アホである)人通りが少なくなった!
チャンスだ!俺はサングラスを装着し、きゅうりを右手に握った!
パーマ隊員は携帯電話をかまえる!
パシャッ!
我々の勝利のファンファーレが鳴り響いた瞬間である。
そして像の足元にきゅうりを置いてもう1枚。
河童の中の河童。THE河童である。
そそくさときゅうりをリュックにしまい込み、我々は逃げるようにその場を後にした。
顔は真っ赤であったに違いない。
その後我々は二度と暴れないようプレシャスを駅のトイレに封印し、パーマ隊員は電車に乗り帰っていった。
今回の調査でパーマ隊員と俺との信頼は深まり、探検はこんなに楽しいものだと再度認識した。
WSRの歴史に残る名調査になったのは言うまでもない。
ちなみに家に帰り着いた俺はそのまま死んだように眠りました。次の日軽い筋肉痛だったってことは誰にも言えません。
−END−
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