番外編!
ザ・冒険ドリーム

アイスバー

エイリアン、幽霊、UMA・・・
WSRは"超常現象調査隊"であるがその根底には「夢を追い求める」という大切なテーマが横たわっている。
今回行った任務は心霊現象調査でも探検でもない。
そう、今回行った任務とはズバリ「轟轟戦隊ボウケンジャーショーを激撮せよ!!」である!

なぜかって?理由は簡単。隊長が泣く子も黙る特撮オタクだからだ!


2006年08月27日

member:NEO隊長、CROW隊員



この日もまたCROW隊員は俺の家に泊まりに来ていた。

この日行われる地元の夏祭りでボウケンジャーショーがあるという情報を前々からキャッチしていた俺はCROW隊員を連れ現場まで向かった。
会場に着くとちょうど司会のお姉さんがこの後の予定を説明していた。それによるとボウケンジャーショーはバンド演奏の次にあるということだった。
最初は日陰に座りバンドの演奏を聴いていたがあまりの猛暑で耐え切れず、隣にあるボウリング場へ避難した。

一時して戻ってくると別のバンドが演奏を始めており、おまけにまだ他のバンドも控えているようだ。
どこかにプログラム表はないのか!?するとCROW隊員がステージの真横にそれらしきものを発見した!(グッジョブ!)
それに近づき確認をしてみると、なんとショーは19時30分からと書いてあるではないか!
時刻はまだ16時前・・・。急遽作戦会議が行われ、とりあえずゲーセンで暇を潰すことになった。
ゲーセンを出て、古本屋などで時間を潰した後、またボウリング場へ戻ることにした。
ボウリングをするわけでもなくただベンチに座りコーヒーを飲みながらボーっとする。
ボウリング場に来る途中にコンビニで買ったガンダムのフィギュアを俺は袋から出し開封した。するとCROW隊員の顔が歪む。俺は即座に袋に戻した。

「あーどこ行くよ?」
「祭りの様子見に行くか?」
そんなこんなで我々は祭り会場に向かうことにした。
すると会場のほうから声優くさい声が聞こえてくる。
まさか!俺はボウリング場の窓から会場を見渡し、ステージの上にいるボウケンイエローを発見した!

そこからは一瞬の出来事だった。

俺は走った。CROW隊員のことなどおかまいなしに走った。
「ボウケンジャー始まった!」そう言いながら会場に向かって走っている子供まで追い抜いて俺は走った。

そして会場に着く。ステージにはボウケンイエローとボウケンブラック。
かったるそうに追いかけてきたクロウ隊員も到着した。

任務開始だ。


ボウケンジャーショー6

19時30分からのは第2部で、我々は勘違いしていたのだ。

会場には多くの観衆が集まっていた。
ショーのストーリーはブラックをベースにしているらしい。

撮影はCROW隊員に任し、俺はショーを見ることに専念する。


ボウケンジャーショー3

こいつらが敵。赤いのが本編にも出てくるガリュウ一族の長リュウオーン。
青いのはおそらくオリジナルの敵。ブラックの元相棒?という設定らしい。


ボウケンジャーショー5

レッド登場。敵の手下共をあっさり倒した。


ボウケンジャーショー4

ボウケンジャーショー2

青い奴が出てきてレッドとブラック大苦戦!暑い中精一杯のアクションを見せてくれるスーツアクターさん(中の人)に拍手。


ボウケンジャーショー7

ブルー、ピンク、イエローも駆けつけ会場は一気にヒートアップ!


ボウケンジャーショー8

やっぱりレッドはかっこいい。冷静に考えるとこの状況はどう見ても公開リンチ。


ボウケンジャーショー9

そして5人揃って・・・

ボウケンジャーショー10

ズバーン!!決まった!(ちなみにリュウオーンは逃げていった)


ボウケンジャーショー11

ポーズを決めるボウケンジャー達。「ここだ!」という俺の指示(お願い)に従いCROW隊員は一心不乱に撮っていく。


ボウケンジャーショー1

こうしてショーは終わり、ステージに司会のお姉さんが出てきた。





ボウケンジャーショー12





「撮れっ、撮れ!」





俺がそう叫んだのも仕方ない。司会のお姉さんがボウケンピンクの変身前のコスチュームを着ていただなんて想定の範囲外だ。

すでに撮影を終えていたCROW隊員は「え!これも!?」と言い、仕方なしに一枚撮ってくれた。(心からありがとう)


「よおし帰ろうか」

俺たちが会場を出ようとしたその時、ボウケンジャー達がステージの下に降りてきた!
そして子供たちと握手を始めたではないか!

これはチャンスだ!


ボウケンジャーショー13

こんなに近くで見れるとは・・・
感激していると俺は閃いた。今ボウケンジャーと握手をしてそれをCROW隊員に撮って貰えば・・・


俺は勇者になれる!


だが目の前の光景を見てすぐに冷静になった。

ボウケンジャーの周りに集まってるのは紛れもないガキんちょ共。

俺があの中にいけるか?

ただでさえ怪しい2人組みなのに握手なんてしてしまえば・・・

考えるだけでも恐ろしくなってしまった。

CROW隊員は俺がいつ行くのかとシャッターチャンスをうかがっている。

するとCROW隊員が言った。


「イエローが1人だ!」


CROW隊員が指差したほうを見てみるとそこにはオドオドと子供を探すイエローの姿が!


ボウケンジャーショー15


正真正銘のチャンスだ!俺はイエローに近寄る・・・

そして真横まで来た!

だがその時俺は見てしまった。

まるで「あの子なんなの?」とでも言うかのように怪訝そうな顔つきで俺を見ているおばさんを。


俺は負けた。


イエローは子供のところに行ってしまい、俺は最大のチャンスを逃してしまったのだ。


ボウケンジャーショー14

親子と並ぶボウケンブルー。子供さえいればこんなこと容易かったはずだ。


握手の夢・・・いや、任務はとうとう達成できなかった。

俺に足りなかったものは明確だ。

ある人物が言っていた。オタクになるには覚悟が必要だと。

俺にはそれができなかったのだ。
人目を気にするあまり、目の前のプレシャス・・・じゃなくて夢を掴むことができなかった。

恥を捨てる覚悟・・・


その後の俺は最初のテンションの高さからは考えられないほど落ち込んでしまった。
「俺は隊長失格だ・・・」

前回の「黒い影」で恥ずかしい行動を起こしてしまった記憶も甦り、俺のテンションは更にダウン。

その間ずっと苦笑いだったCROW隊員はとうとう口を開いた。


「あんなことでここまで落ち込む奴初めて見た」


今回の任務は大目に見て成功と言えるだろう。

なんといってもCROW隊員が頑張ってくれた。それを評価しないわけにはいかない。CROW隊員、ありがとう。


隊員は皆優秀なのに隊長がダメなのはWSRだけだろうな・・・
隊員さん達、こんな俺を許してくれ。


−完−



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